「陰日向に咲く」

  • 2007/09/02(日) 18:49:25

劇団ひとり。
彼が本を出版する前から彼の独特な芸風など、随分と気にはなっていたものの、本を読んでやっぱり思った。他の人とは違う!



まず、本を読む前、私がテレビを見た時点で感じていた彼の魅力は…

隠していてもにじみでてくる頭の良さ
幅広い芸風が彼の人格にもだぶる
自分の暗い部分、(過去、経験など)を笑いに変えること。しかも聞いてて「こいつイタイな」と思わせない。逆に、彼と同じように、誰もが暗い過去があるので共感がわく。

と、真っ先に思いつくのはこの3つか。

で、「陰日向に咲く」を読んで感じた、本作と彼の魅力は…
やっぱり隠してもにじみ出る彼の頭の良さ。そして、幅広い芸風(いろんなキャラクターを演じる)が作風と文章にもでるのか、各章違う主人公の心理描写、台詞、など他のキャラクターとの違いが際立っていたこと。
それとびっくりするのがエンターテイメント性の高さ。やっぱり芸人として、人をエンターテインするという行為が彼の根底にあるのか、各章全く違ったはなしでも、最後にはひとつの物語に結びついて完結するという作り方(たとえばLov, Actuallyというイギリス映画のような)。そして、読む側に、主に自分の人生について考える機会をスムーズに与えるということ。(過去の設定だからね)

この作品は、劇団一人という芸人が書いた、というふれこみがなくても、一作の小説としても読み応えがある。

祖父が藤村の書生をしていたということで(?他にも理由はあると思うけど)、文学に精通した爆笑問題の太田は、「劇団一人のこの本が直木賞に選ばれなかったら、日本の文壇は腐ってる」とまで言ってたけど、私も賛同する。
ていうか、芥川賞、はとらなかったとしても、候補にはなるだろうと思う。

最後は、一応ハッピーエンドなのだが、Open Endではないのも彼の魅力。
なんか、変な言い方かもしれないけど、この本は読み手に「あなたの人生はどんなですか」、とか「あなたは自分は一人と思っていても、結局周りの人とつながっていて(願っていなくても)、誰かの人生の或1日で、大きな出来事、意味をもたらした人、として(知らないうちにかもしれないけど)登場しますよ」と言ってるような気がする。

人との付き合いの中で、自分に合う人、合ない人、というのはもちろんいて、合ない人とは、本当に心の底からむしゃくしゃするとは思うんだけど、人間ってそういうとこまで作用しあって、一つの社会を形成してるのではないか。

…と、こんなことまで考えさせてくれる名作なのでありました。
一読あれ!





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気まぐれ気晴らしダイアリー・・・ 「陰日向に咲く」

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